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昨日、神楽坂で・・

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カテゴリ:本・文学・人物( 8 )

欧明社 フランス書籍専門店

a0292705_245736.jpg神楽坂から九段方面へ歩いて行こうとしたら、見つけました。

欧明社の本店です。アンスティチュ・フランセ東京内のリヴ・コージュは拝啓父上様のロケ地にもなったところで当然チェック済でしたが、こちらの本店は神楽坂じゃないんだな、程度にしか思っておりませんでした。

店内はフランス語の本が、びっしりと、昔ながらのフランスの古書店のような内装の店内に並んでいます。フランスの本というのは表装のデザインが素敵ですね。星の王子様とかガスパールなどの有名どころのキャラクター絵本がありました。

文房具やカード類もあって、雑貨店のようでもあります。乙女チックでアカデミックで、これでフランス語が読めたら最高なお店です。


by kagurazaka-m | 2013-10-18 18:30 | 本・文学・人物

矢来公園 小浜藩邸跡と杉田玄白

a0292705_205872.jpg神楽坂を登って下って左に行って。アバウトな説明だけど、住宅街のなかにある普通の公園。かと思いきや、なにやら碑があるじゃない。

近寄ってみたら「小浜藩邸跡」ですって。
若狭国の小浜藩主の酒井忠勝が、寛永5年(1628)徳川家光からこの地を拝領して下屋敷にしていた跡だそうで、小浜藩の医者である杉田玄白がここでお生まれになったそうな。
ターヘルアナトミアでございます。

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小浜藩邸のまわりに竹矢来がめぐらされていたことから矢来町の名が付けられたそうです。

矢来町と言えば、「拝啓父上様」では、黒木メイサふんするナオミが住んでいたところで、いつもフランス語で話すナオミが、家の場所を聞かれ「ヤライチョー」と応えるんだけど、その言い方がメイサらしくて(いや、ナオミらしくて)とってもぶっきら棒だったのが、印象にのこっています。


by kagurazaka-m | 2013-06-11 18:30 | 本・文学・人物

鶴賀 若狭掾

a0292705_16421355.jpg新内節というのをご存知ですか。私は知らなかったです。日本の伝統芸能、まったく無知です。

新内節とは江戸浄瑠璃の流れを汲む語り物で、美しい音色と妖艶な語りで江戸時代から好まれてきた芸だそう。鶴賀 若狭掾先生は人間国宝でいらっしゃいますぞ!新内の伝承と普及に活躍され、ここ神楽坂でお稽古(レッスン)もしてくれるのです。

神楽坂生まれの神楽坂4代目である鶴賀先生が、「かぐらむら」67号でコラムを開始されたのだけど、第一回の冒頭は「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。」と鴨長明の「方丈記」から引用し神楽坂の移り変わりの無常観と、どんなに街が変わろうとも三味線や太鼓の音が聞こえる花柳界あっての神楽坂でなければならない、と熱く語っています。

神楽坂を歩き始めて半年の私でも止まらない流れを感じます。閉店、開店、マンション建設・・。それは私の住む街でも同じ。新しい人が良かれと街を動かすのを無常を感じながら見ているだけ。



by kagurazaka-m | 2013-05-22 18:30 | 本・文学・人物

拝啓、父上様

a0292705_2130292.jpg「神楽坂・本」ときたら、この本をおいて他はないでしょう。
あ、これは脚本か。

まぁ、勿論これはテレビドラマありきだけど。

まず、主人公「一平」(二宮和也)が良い。素直でまじめ。ちょっと単純だけどそこが可愛らしくもあり。一人前の板前になるべく神楽坂の一流料亭・坂下で修行をしている。花板の竜次を心から尊敬している姿がとても好感が持てる。少し古風なところがいい。そして好きな異性が出来てウキウキしたり、落ち込んだりする姿はだれでもが覚えのある感情で共感する事この上ない。そそっかしいところも沢山あって人間くさい。母親に反抗してみたり、かばってみたり。女将さんを大事に思ったり。優しさをベースにもつ若者です。父親が誰なのか知りたいような知りたくないような迷う気持ちの演技はさすが。

花板の「竜次」も良い。格付けでは三流だったりする梅宮辰夫が演じている。とにかく男の中の男。しゃべりすぎない。人として筋が通っているところが粋。「自分の行く道は自分で考えろ。但し。利害で考えるな。利害で動くのはクズのすることだ。」このセリフがビシッと決まります。軸のぶれない生き方が素敵です。

八千草薫演じる「女将さん」もすごく素敵。政界のドンの二号さんなんだけど、正妻に気遣う花街の女の奥ゆかしさがとても良い。いくつになっても可愛らしい乙女ってのがなんとも良い。

一平の母親「雪乃ちゃん」も良い。高島礼子が演じているんだけどとにかくカッコイイ。スタイルが抜群に良くて。若くて美人で色っぽい。父親が誰であるかを絶対に明かさないその内面の固さもカッコイイ。一見チャラチャラしていそうだけど、徹底して女将さんの味方を貫く芯がある人。

若女将の「律子」も実にいい。岸本加代子が気の強い若女将を好演している。このドラマではヒールだ。この嫌な感じがエッセンスになっている。「神楽坂の料亭として今までのような古い考え方では食べていけない。」という現実を突きつける一番リアルな存在。

律子の夫「保」(高橋克実)も良い味をだしている。婿養子の肩身の狭さと料理人・父親としての意地にゆれる感じがいい。八の字眉毛でため息をつきながらパチンコをする哀愁の漂わせ方は一流です。

街を取り締まる鳶職のシャク半さんや喫茶店主のルオーさんも端役にはもったいないような面白い存在で、さらに深みを与えます。

誰を持ってきてもスピンオフドラマができそう。

こんな魅力的な登場人物が神楽坂の街で活き活きと生きている。実在する店も沢山登場する。神楽坂は素晴らしい本でより活き活きとした街になったように思う。もう6年も前のドラマで様変わりしてる部分も否めないけど。でも泉鏡花や紅葉に比べればずっと最近の話でしょ。へへ。


地図は神楽坂のランドマーク「毘沙門様」です。

by kagurazaka-m | 2013-03-11 18:29 | 本・文学・人物

レ ラ ド ビブリオテック

a0292705_2057759.jpg二月後半に「第二回レ ラ ド ビブリオテック」という本のイベントが開催されました。

神楽坂を本の街という視点で見て、また新しい街の魅力を発見できれば、という企画です。

確かに街に歴史があるし東京のど真ん中だからそこそこ文豪や文化人とのつながりもあるでしょう。

泉鏡花、尾崎紅葉、島村抱月、松井須磨子などは縁のある面々。

a0292705_20563271.jpg「うす沢」さんの<鏡花ナイト>なんて面白そう。鏡花にちなんだお料理がトークと共に楽しめるですって。出版倶楽部でのブクブク交換会なんても面白そう。私は人見知りなんで参加しませんでしたが・・。

それにしても「本の街」と言えば確実に神保町だし、文化人の街といえば、上野・浅草・御茶ノ水のほうがイメージが強いけどね。ただこういうイベントは続けていると、どんどんそれっぽくなっていくので今後次第といったところかな。

ま、私としては「神楽坂・本」ときたら・・。はいこれ、「拝啓父上様」に尽きるんですけどね。


地図は主催の「うす沢」さんです。

by kagurazaka-m | 2013-03-09 18:30 | 本・文学・人物

文鳥堂書店

a0292705_19302741.jpgどういうわけか、神楽坂を上がってくるとここで本を買いたくなる。まったく持って理由はないのだけど。
それにとりたてて、神楽坂っぽいと言う特徴も無いように思う。ホント普通の本屋さんです。

「横道世之介」は文庫になったら買おうと思ってたので買っただけです。そして、私はブックカバーは手作りするので、いつものように(レジ袋を断るように)ブックカバーは結構です。って言おうとしたんだけど・・。そんなスキを与える前に、今時珍しい客の目前で折込みカバーを鮮やかにつけてくれたので、嬉しくなったってしまいました。

よく考えたらワタシ、飯田橋東口の「飯田橋書店」で数十年前にアルバイトをしていたんです。まだおつりの出ないレジで必死で暗算して、ブックカバーもつけて。そんな事を思い出しちゃった。

a0292705_19304552.jpg「よく味はふ者の血とならん」
武者小路実篤の言葉もちょっといいでしょ。

ま、サネアツっていうと竹中直人の「サネアツ!」が浮かんじゃうけどね。

a0292705_19331172.jpgそして今なんやかんや、頼りにしている神楽坂のガイドブックも以前ここで買ったんでした。

そうそう、「神楽坂さんぽ」は先述の「いきいき」の編集部が作ったガイドブックです。


〈余談ですが、「横道世之介」の感想を〉
1987年、地方から大学進学のために上京してきた横道世之介の入学から一年間の話です。友達が出来て、バイトとサークルに明け暮れて、彼女が出来て、盆と正月に帰省して・・・っていう話です。地方から出てきて大学生活を始めると言うのは夏目漱石の「三四郎」に似ています。(因みに私は「三四郎」がマイフェイバリット小説ナンバーワンです。)

で、この小説。近々高良健吾で映画化されるぐらいの情報しか持ってなかったのだけど、この一人の大学生を描く青春小説は外堀を挟む神楽坂の対岸の某大学が舞台でした。外堀の土手の歩道とか飯田橋のロッテリアとか所々この界隈が登場します。「学祭の打上げは神楽坂の居酒屋ね。」とかね。

ストーリーはこれと言ったドラマチックな展開は無いけれど、瑞々しく描かれた一人の普通の大学生を、友人たちが懐かしく思うという構成が独特です。「三四郎」は主人公があれこれ悩む姿に共感するのだけど、この主人公はあんまり悩みません。それがまた朗らかで若々しい好青年を上手く描いているようです。

だれもが経験してきたような平凡だけど懐かしい話に、最後は目頭が熱くなっていました。『悪人』でも泣かされたこの作家、改めてみたら私と同世代でこの舞台になった大学出身でした。つまり、私と同じ大学だったってことです。共感する部分が多いはずです。実際すれ違っていたかも知れません。

だからか余計にこの青春小説をリアルに感じてしまって・・。冒頭の入学式のすぐ後の友達のセリフ『ここは滑り止めだった。早稲田受け直すわ。』って言うのは、私も実際言われましたからね。そういうポジションを受け入れた覚えがあります。当時はバブル絶世期でしたが、この小説のように全くバブル感の無い学生生活でした。飯田橋の書店で地味にレジのバイトをしていたんですから。でもこの大学の学生はそんな人が多かったように思います。
大学生活なんてホント人生の中でのたった四年間に過ぎないのに案外深く残っているものです。勉強は役に立ったとは言い難いけど、これを読んで実はとてもキラキラした時間だったような気がしました。

当時は、カナルカフェも無かったし、神楽坂なんて「(大盛りの)神楽坂飯店に誰かがチャレンジした」とかって話しを聞くぐらいで。行くのは坂下の「村さ来」とか「養老の滝」ばかりでした。

卒業して何十年もたっているのに何の因果か神楽坂に夢中になってる現在の私。あのころの未来ってやつね。ま、それはそれでいーか。


by kagurazaka-m | 2013-01-16 18:29 | 本・文学・人物

宮城道雄記念館

a0292705_1801917.jpg宮城道雄と言えば、「盲目の箏曲家」程度の知識でした。

「春の海」の作曲家というのも知っていたかな。

けど、「春の海」って言ったら「つんつくつくつくつん」の伊東四朗のほうが先に浮かんじゃう。・・・。

道雄が晩年まで住んだという中町に「宮城道雄記念館」があります。奥には生前書斎として使われていた「検校の間」も保存されています。

宮城道雄は8歳で失明宣告を受けて以来、生きる道を「筝曲」に定めます。
14歳での処女作「水の変態」は、伊藤博文にも高く評価されるのです。

a0292705_1804049.jpg館内ではこの「水の変態」をビデオ映像と共に聞くことが出来るのですが、水の繊細な動き・・、それは、静かでもリズミカルなさざなみであったり、ぽたりぽたりと落ちるしずくだったり、激しい雨だれだったり、荒々しい波しぶきだったり、春を待つような雪解けだったり、他にも波紋や流水など、水のあらゆる動きが音で表現されている素晴らしい曲でした。

失明したことで「私の生きる道は音の世界に限られてしまった」と、嘆くのではなくその世界を極めていくのです。そしてその境遇をむしろ「幸いだったと感謝している」と記しています。


a0292705_181180.jpg館内展示は勲四等旭日小綬章のほか、愛用の三味線ブローチや筝のネクタイピンなんかもありました。

屋外展示へ行く道の散った花びらがきれいでした。

もう、お正月に「春の海」を聞いても伊東四朗なんか浮かばないわ。


by kagurazaka-m | 2012-12-18 17:59 | 本・文学・人物

泉鏡花 婦系図

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明治後期、尾崎紅葉に師事した泉鏡花は神楽坂で芸者をしていた伊藤すずと出会い神楽坂2丁目、志ま金の裏手で同棲します。

神楽坂2丁目に旧居跡の碑があります。(北原白秋もこの辺りに住んでいたそうです。)

a0292705_10253610.jpg「婦系図」では神楽坂での生活や、すずがモデルとされる蔦との関係や、実際紅葉にすずと別れさせられたことがモチーフとなったストーリーが展開します。

まるで昼ドラのような悪漢小説(ピカレスクロマン)は思わぬ結末に驚きと、初鏡花だったため意外な印象を持ちました。文体はとても難しく現代語訳も一緒でないと進みませんでした。後半は静岡が舞台になります。

a0292705_10262969.jpg登場人物のひとり、「め組」と呼ばれる魚屋・上原惣助は、神楽坂3丁目の老舗割烹「うを徳」の萩原徳次郎さんがモデルです。

「めの惣」「めの字」「めのさん」「めの公」などと呼ばれ、威勢のいいいなせな気風が生き生きと描かれています。

a0292705_10255621.jpgそして「うを徳」萩原徳次郎さんの息子さんが営むのが「め乃惣」さん。毘沙門前の路地を入ったところにあります。こちらも名店と名高いです。かのTV番組「料理の鉄人」で勝利した事があるそうです。


by kagurazaka-m | 2012-12-07 18:24 | 本・文学・人物