「裏路地にひっそりと佇む」という表現は神楽坂のどこを切り取っても適するのだけど、この
アグネスホテルもまさに表通りから少し入ったところに「静かに佇んで」います。
2000年創業、長期滞在型のサービスアパートメンツ機能も持つ、客室数56室という小さなホテルです。
アグネスの名前は代表取締役総支配人の千賀徹さんの苗字sengaを逆読みにしたもの、ですって。
もっと小洒落た由来かと思いきや、案外おちゃめな理由ですね。
それにしても、熱海湯前の階段を上がった先に、まさかアグネスホテルがあるとは・・。前情報無く神楽坂を歩いていて、とても驚いたことのひとつです。
老舗の鰻屋「志ま金」や草履の「助六」を横目に神楽坂通りを歩き、フレンチレストラン「ラ・ブルゴーニュ」の標識が見えたら脇に入り、別亭鳥茶屋前の情緒溢れる熱海湯階段を降り、超庶民的な銭湯・コインランドリーを左に上がると・・・このヨーロッパの邸宅のようなアグネスホテルです。
神楽坂の和洋の混在ぶりには脱帽です。
「拝啓、父上様」では、アグネスホテルのティーラウンジで、一平(二宮和也)と津山冬彦(奥田英二)がついに対面しました。
小説家である津山冬彦は、ここアグネスホテルで長期滞在して執筆していたという体なのでしょう。
敷地内にパティスリー「ル・コワンヴェール」があります。なんだか避暑地にいるような雰囲気です。
長期滞在してみたいもんです。